身体と向き合うセラピストに知ってほしいこと ~ 『 身口意 』とお客様のお悩みの関係

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(この記事は旧サイトより移行したものとなります)

 

こんにちは こころと身体のセラピストゆうです(*^-^*)

セラピストやエステティシャンの方は、サロンにお見えになるお客様のお悩みに日々向き合っていることと思います。

人それぞれお悩みやご要望も違うし、体質や生活習慣・嗜好品なども違うので、一概にこれがトラブルの原因だと断定するのはなかなか難しいところだと思います。

ただ、今回テーマにしている “ わたし ” をつくるものの中に、普段私たちが何氣なく行っている『 身(しん)・口(く)・意(い)』がとても大きく影響しているというのをご存知でしょうか。

 

身(しん)・口(く)・意(い)とは

まず、この『身口意 』について、どこかで耳にしたことがあると思うのですが、1つ1つの意味をみていくと

身(行い・立ち振る舞い)

口(言葉・思考・言葉づかい)

意(意識・こころ・心づかい)

となります。

 

 

『身・口・意』の一致と不一致

今の現状、目の前の現実というのは日々のこの『身口意』の積み重ねの結果でもあり、これらが一致している時というのは、それぞれが同じ方向に向かっているので目標を達成・望む現実をつくることが出来ると言われています。

ですが、思うような状況になかなかならない時というのはこれらが一致しておらず、悩みや不調をつくる原因にもなっています。

 

例えば、エステサロンに痩身目的で通われているお客様でも、サロンではきちんと結果を出しているのにどうしてもリバウンドしてしまって、なかなか思うように結果が出ない方って時々いらっしゃいませんか?

このお客様の状態を分かりやすい例で『身口意』にあてはめてみてみると、

  “ 痩せてキレイになりたい ” と口では言いつつ(口)

 “ 仕事頑張ったしご褒美だからいいよね。ストレス発散だ~! ” と思い(意)

 “ 仕事帰りに寄ったイタリアンでは美味しい料理をたらふく食べ、ワインは1本空けてしまい、満腹のおなかにとどめのデザートをいただく ” を繰り返す(身)

 

ダイエットにありがちなパターンですが、当然のことながらこれでは『身口意』がバラバラで一致していませんから、決めた目標に到達できるはずはありません。

 

或いは、

✶ “美容や健康にもよくないし、身体も冷やすから明日から禁煙するぞ!” と言いつつも(口)

✶ “ストレス溜まる~あっ息抜きしよ。気分転換が必要だ” と思い(意)

✶ “休憩時間や食後の一服” でリフレッシュ(身)

といったケースもあるかもしれません。

ご自身のことを振り返ってみた時に “ なんだか思うように物事が運ばないなぁ・・・” という時は、『身口意』がバラバラであるという事に氣づくことでしょう。

“ そりゃ、バラバラだったら当たり前でしょ ” と思うかもしれませんがここからが本題です。

 

なぜ『身・口・意』の不一致が生じるのか?

では、一体何故バラバラになってしまうのでしょう?

ここでもう一度、

身(行い・立ち振る舞い)

口(言葉・思考・言葉づかい)

意(意識・こころ・心づかい)

をよく見ていただくと、この1つ1つは意識して使うことが出来ますが、日常生活の中ではほとんどと言っていいほど 無意識に或いは反射的に行っている事が多いのではないでしょうか。

実はこの “ 無意識 ” これがポイントとなります。

 

“ 無意識 ”と 習慣

私たちの生活パターンというのは、無意識による習慣から来ているものがほとんどなのです。

車の運転を例にあげてみましょう。

教習所に通い始めの頃は車の操作法も分かりませんから、アクセルがこっちでブレーキはこっちで、ブレーキを踏んでキーを回してエンジンをかけて・・・。

交差点の手前のこのくらいの距離になったらアクセルをゆっくり踏んで減速していって、ウインカーをこのタイミングで出して~など、1つ1つ丁寧に意識を丁向け注意しながら運転していたはずです。

次第に運転に慣れてくると、当初こまごまと意識を向けていたことを忘れてしまうくらい、身体が反射的に動くようになっていますよね。

 

自転車の乗り始めやスポーツなんかも、何度も同じような反復によって習慣になってゆきます。

もう1つ例をあげると、朝起きてから顔を洗って、歯を磨いて、お化粧をして~などの一連の流れも、さぁベッドから身体を起こして足を床につけ、洗面所に向かうぞ。 右脚、左脚、右脚・・・。

洗面所に着いたら歯ブラシは左手に歯磨き粉は右手に取り、歯ブラシに歯磨き粉が付いたことを確認し口の中に入れ、右下側の奥歯から磨いて~なんてことは意識していないはずです。

1つ1つの動作を意識しながら生活している状況をイメージしてみてください。

ちょっと疲れちゃいますよね。。

これは、私たちに備わっているありがたい無意識・習慣のなせる業なのです。

こういった反射的に起こるこの無意識の反応は 『 潜在意識 』 の働きによるものです。

お氣づきのように、私たちが普段何氣なく行っている日常の行為というのは、ほとんどが潜在意識の働きによってなされています。

 

潜在意識にしまわれているもの

ですので、自分が思っているような結果とならない場合の原因は、潜在意識である無意識の領域に要因要素がしまわれています。

この無意識の領域である潜在意識には、どのようにその要因要素が入るかというと、その1つが繰り返しである反復行為となります。

上記ではイメージしやすい例をあげてみましたが、目標達成の要となるのが『 身口意 』です。

この『身口意』が無意識からの反射であるとするならば、1つ1つ丁寧に意識的に取り組み繰り返してゆくということが問題解決に繋がってゆく1つの方法です。

ここで話しをなかなか結果が出ない “ リバウンドを繰り返してしまうお客様 ” のこのに戻しますと、

 

『 痩せてキレイになりたい 』という言葉と、そのこころの奥にある潜在意識で『 思っている・感じていること 』というのは確実に不一致が生じています。

なので、こういったお客様に対して一般的にサロンで行っているお食事の指導やセルフケアの方法、生活習慣の指導など真正面から正論をぶつけてもなかなか長続きしないものです。

 

こういったケースの場合、サロンに通っている数か月間は順調に痩せて満足のいく結果を出せたとしても、潜在意識の中が変わっていなければ半年後なのか1年後なのかは分かりませんが、リバウンドしてしまう確率は高いと言えます。

これってある意味仕方がないのです。

ご本人も何でそうなってしまうのか分からないはずです。

だって無意識なんですもん。

 

 

“ 欲求 ” はなにかの代用

一概には言えませんが、食事や間食、アルコール、たばこ、性欲、物やお金なども含め必要以上に欲する欲求というのは、なにかの代用である場合がほとんどなのです。

それは、『 認められたい 』であったり、『 愛されたい 』であったり、『 必要とされたい 』という想いかもしれません。

そのこころの奥には、寂しさや孤独感・悲しみ といった感情が仕舞い込まれているのかもしれません。

なので、セラピスト・エステティシャンとして技術を提供するだけではなく、“ お客様のこころの奥にある感情を汲み取る ” というところにも目を向けていっていただけたらと思います。

そして、お客様自身にそのこころの奥にしまわれていたものに氣づいていただき、それと向き合い、本当はどうしたかったのかなどの想いを受け止めてゆく必要があります。

そういった深い部分のお話をするにあたっては、お客様としっかりとコミュニケーションを取り、信頼関係を築いてゆく必要があります。

まずは、受容と共感ベースで丁寧にお話をお聴きかせいただき、お客様がリラックスできる空間づくりを心掛けることが大切です。

お客様自身にも、自分のこころや行いの癖に氣づいていただくことも大切です。

たとえば『 口癖 』。

本人の自覚がないことも多いですが、これは明らかにこころの声が漏れているものです。

“ わたし、お水飲んでも太っちゃう ” とか、“ 家系だから仕方がない ” ・・・などなど。

『 行い(身) 』で言うと、食事を食べる順番なども無意識に手を付けているのではないでしょうか。

これを意識的に行うだけでも、血糖値の急激な上昇を抑えることが出来ます。

食いしん坊の時期の私のパターンとして以前あったのが、食材の買い出しに行った際にスイーツコーナーに自然に足が向かう(;’∀’)

出先から帰る際に、用もないのにふらりとコンビに寄り、結局おやつを購入しその晩のうちに食べつくす・・・など。。

こういう時に、本当は満腹だしお腹が空いていたわけじゃないんだよな~、こんな事を考えているなぁ~、こういう想いを持っているんだな~など、自分自身を俯瞰して見る習慣を付けること。

そうすることで、本当はどうしたかったのか、本当に欲しいもの・必要なものはこれだったのかなど、色々と見えてくることも出てきますので、氣づいたらノートに書き出すなどして自分のパターンを知っていただくのもよいでしょう。

 

最後に

最後に、仏教用語には『 身口意の三業 』という教えがあり、生命現象はすべて『身口意』という3つの働きで成り立っていると説いています。

ちなみに、この『業』とは何かというと

“ 業とは行為・造作の義で、善悪にわたる行為そのものだけでなく、その行為の余力としての習慣力が含まれます。 人の行為経験は、いかなるものでもそのまま消滅することなく必ずその余力を残し、それは知能・性格などの素質として保存・蓄積されるのです。 ”(引用元: 日蓮正宗法華講宝相寺支部より

と言っていて、空海さんも『身口意』の3つを一致させることで、あらゆる願いは成就すると言っています。

そして、

『 意識が変われば感情が変わる

  感情が変われば思考が変わる

  思考が変われば行動が変わる

  行動が変われば現実が変わる 』

と言われています。

 

捉え方が “わたし” の現実をつくります。

セラピストである私たち自身も『 身口意を一致させた生き方をしてゆく 』ということを心掛け、お客様から信頼される1本筋の通った施術者でありたいものです。

 

 

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