セラピストが押さえておきたいこと ~ 食材がもつ性質を生かす

セラピストが押さえておきたいこと
(この記事は、旧サイトにて2019年8月28日に公開した内容を更新したものです)
こんにちは
こころと身体のセラピストゆうです(*^-^*)
日頃お客様のお身体と向き合っている セラピスト・エステティシャン の皆さんにお役に立つ情報をお届けしてまいります。
では、早速始めてまいりましょう☆彡

東洋医学では、私たちが普段耳にする栄養学の考え方とはまた違った視点で、食材の味や性質・気候風土・体質や体調などをみながら、その時の身体にあったものを食するという考えがあります。

私たち人間も自然の一部であり、季節などの変化により身体にも大きく影響していると捉えています。

ここでは食材の持つ性質である『五性』と、味である『五味』ついてのポイントをお伝えしてまいります。

 

食材の持つ5つの性質 『五性』

五性は、食材が身体にどう作用するかを表したもので、寒(かん)・涼(りょう)・平(へい)温(おん)・熱(ねつ)の5つの性質があるとしています。

身体を温める性質のある温・熱性とし、冷やす性質のある寒・涼性、寒熱どちらにも属さないものを平性といいます。

それぞれの特徴をみてゆきましょう。

 

寒・涼性とは

・身体に熱がこもりやすい体質や炎症があるとき・暑い時期に良い食材です

・身体が冷えやすい体質の方は控えましょう

【 寒性 】

冷やす性質が最も強い食材で、水分を補うと共に炎症を鎮める・解毒作用あり

( すいか・ゴーヤ・バナナ・トマト …など )

【 涼性 】

寒性より弱いけれど冷やす性質の食材で、身体の活性を鎮静させる作用あり

( なす・きゅうり・水菜・セロリ・蕎麦 …など )

平性とは

・中間の性で、身体を温めも冷やしもしない穏やかな性質の食材

・長期間食べても偏りません

・どんな体質にも適している

( きゃべつ・にんじん・うるち米・豚肉・タラ …など)

温・熱性とは

・体が冷えやすい体質や寒い時季に適した食材

・身体に熱がこもりやすい体質や状態のときは控えたほうがよい食材

【 温性 】

身体を温める性質があり、身体を穏やかに活性させる作用あり

( みかん・ニラ・鮭・もち米・玉ねぎ …など )

【 熱性 】

温める性質が最も強い食材で、発汗を促したり代謝を活性させる性質がある

( 干し生姜・とうがらし・シナモン・酒 …など )

 

カロリーやビタミンなどの栄養素も大切な要素ではありますが、旬のものや生命力旺盛な新鮮なものを摂ることで、氣が効率よく補充出来ます。

ご自身やご家族、お客様の体質や体調・季節に合わせた食材選びと指導を心掛けたいものですね。

 

五味

酸(さん)・苦(く)・甘(かん)・辛(しん)・鹹(かん)と味を五つに分けて「五味」とし、それぞれ特有の働きがあると捉えます。

ここでは、それぞれの味の特徴と作用のポイントを紹介します。

酸味:

引き締める作用・出過ぎるもの(寝汗・下痢・頻尿など)を抑える作用・筋肉を引き締める・慢性の咳を止める・肝に作用し肝を養う

注) 脾が弱っている人は酸味の摂り過ぎに注意

苦味:

余分なものを除去する・熱を冷ましたり水分を排泄・便の排泄・解毒・消炎・鎮静・利尿・発熱・ニキビ・食欲不振・心に作用し心を養う

注) 肺が弱っている人は苦いものの摂り過ぎに注意

甘味:

滋養作用・血を補う・筋肉の緊張を緩め痛みを取る・疲労回復・虚弱を補う・脾に作用し脾を養う

注) 腎が弱っている人は甘いものの摂り過ぎに注意

辛味:

停滞している氣や血を巡らせる・寒さを散らす・身体を温める・痛みを止める・冷え・瘀血・肺に作用し肺を養う

注) 肝が弱っている人は辛いものの摂り過ぎに注意

鹹味:

固まっているものを柔らかくする・便の排泄・血虚・腎に作用し腎を養う

注) 心が弱っている人はしょっぱいものの摂り過ぎに注意

 

五臓と五味の関係

下の図は、肝臓・心臓・脾臓・肺臓・腎臓の5つを五臓といいますが、これまで見てきたように感情と五臓との関係や、今回紹介した五味と五臓との関係を現したものになります。

 

図:イラストACより

 

例えば、肝臓の欄には五味の中の『酸味』が記されていますが、“  なんだか身体が酸味を欲しているぞ  ” という時は、『 肝 』が少々お疲れ気味ですよ・・というメッセージであったりします。

感情でいうと『 肝 』は『 怒り 』、特にイライラ系のストレスの影響を受けやすい臓器でもあるので、お客様の状態をみる時に、そういったこころの偏りがないかどうか、上手にイライラの発散が出来ているかどうか…というところもヒアリングし、背景を掴んで行く必要があります。

また、“  身体が甘味を欲しているぞ  ” という時は、『 脾 』 がお疲れ気味であったりします。

感情では 『 脾 』は 『 思(心配) 』の影響をうける臓器なので、最近やたらとスイーツの量が増えているぞ・・というようなお客様がいた場合、心配事とか何か抱えていらっしゃらないかな~など会話の中から掴んで行くと関連がみえてくるかもしれません。

このように、五行の表は、臓腑と五味との関係から身体やこころ(感情)との繋がりや傾向をみてゆく1つのアイテムとして活用する習慣をつけてゆくとよいでしょう。

 

最後に

こちらのサイトは絵もとても可愛く、食材の陰陽・五行論の五臓と五味の説明が分かりやすく解説されていますので紹介します。

★ Yomeishu : 薬膳とは? いつもの食材でできる薬膳の基本➡  https://www.yomeishu.co.jp/health/3371/

食事は毎日摂取するものであり、“わたしをつくるもの” でもあります。

毎日の何氣ない食習慣が、自分自身の体質や体調、腸内環境、健康状態やこころの状態までにも影響してゆきます。

まずは、自分自身の身体の傾向を掴み、季節に合った旬の食材を積極的に摂り入れるよう心掛けたいですね。

 

 

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