(この記事は、旧サイトにて2019年8月12日に公開した内容を更新したものです)
こんにちは こころと身体のセラピストゆうです(*^-^*)
日頃、お客様のお身体と向き合っている セラピスト・エステティシャン の皆さんにお役に立つ情報をお届けしてまいります。
馴染みがないと東洋医学とか思想とかきくと難しそうとか、氣…怪しいとか感じる方もいるかもしれませんが、中医学やアーユルヴェーダなど伝統医療といわれているものは、経験の集積をまとめ体系化されたものであって、単に数字ではじき出される世界のものとは全く質が異なります。
この世の中には、目に見えないものはいくらでもあるけれど、その存在や働きが見なおされています。
では、その世界を少しばかり覗いてみましょう。
生命活動を支える 氣・血・津液
東洋医学では、身体を構成し生命活動を支えるているものが 『 氣・血・津液(しんえき)』であると伝えています。
この三要素のそれぞれの量がしっかりあり、それぞれがきちんと巡っている状態であると、私たちの心身が健康な状態に保つことが出来るという要となるものです。
それでは、それぞれの特徴やはたらきを見てゆくことにしましょう。
【 氣 】とは
東洋医学では全てのものは氣(エネルギー)で出来ていて、私たちの身体を巡り、生命活動を支えるものであると捉えていて、量子力学でも物質とエネルギーは状態の違いであると説明しています。
電氣・元氣・勇氣・活氣・空氣・無邪氣・氣品・やる氣・雰囲氣・・・etc
あげればきりがありませんが、目には見えないけれども確実にあると感じられるものは色々とあるものです。
『気』と『氣』の違い
はじめに、余談になりますが大切なことなのでお伝えしておきます。
普段私たちが目にする『 気 』という文字ですが、『 气(きがまえ)』の 中が 『 メ(しめ) 』になっているので『締め・絞め・占め』などにもなり、“ 閉じ込める ” という意味を持ちます。
『 气 』をもとにした漢字は、「天地の間を満たし、自然現象や生命等の元となると考えられているもの」に使用されているそうです。
巡ってくれてなんぼの『 氣 』が閉じ込められてしまったらどうでしょう。。。ということを私は師に教わったので、普段はこちらの『 氣 』 を使用しています。
では、こちらの『 氣 』についてですが中が 『 米(こめ)』です。
『 米 』という漢字は、稲穂が実っている姿をそのまま漢字にしたものと言われています。
『 米 』という文字を分解すると、「八十八」となります。
これは、「お米が実るまでに八十八回も手をかけるから」と言われています。(引用元:日本のごはん塾 http://gogolesson.jugem.jp/?eid=41 )
そして『 米 』は “ 八方広がり ” という意味があり、本来あるべきエネルギーの流れが生まれるという効果もあります。
この漢字によるエネルギーの違いは、簡単な実験で体感することができます(*^-^*)
氣の種類
さて、前置きが長くなりましたが、まずは私たちの身体を巡る活力源である『 氣 』 の説明から始めたいと思います。
身体を巡るこの『氣』は、どのように生じたのかという話なのですが、1つは、この世に生を受けたときに両親から受け継いだもので『腎』に蓄えられているものです。
これを “先天の氣” といいます。
もう1つは、この世に生れてから食事や呼吸から補充されている “後天の氣” です。
この2つの氣によって、私たちの生命活動は支えられているのですが、四氣 といって氣には『 宗氣・営氣・衛氣・元氣 』4つの種類があるのでそれぞれのポイントを紹介します。
宗氣(そうき)
食事から取り入れた氣(水穀の氣)と呼吸で取り入れた氣(清氣)で、呼吸や血流・発声を司り、肺や脾と関係が深い。
営氣(えいき)
食事から取り入れた氣(水穀の氣)で『血』を生成し、五臓六腑を滋養・潤し、脾と関係が深い。
衛氣(えき)
食事から取り入れた氣(水穀の氣)で、体表を保護し、外邪の侵入を防ぐ・発汗や体温を調整し皮膚を潤し、脾・腎・肺と関係が深い。
元氣
人体の生命活動の原動力でもっとも重要な氣で、先天の氣と後天の氣が合わさったものです。
免疫力など生理機能全般を担い成長や発育を促し、腎と関係が深い。
以上が氣の4つの種類となります。
氣のもつ5つの生理機能
次に、『氣』がもつ5つの生理機能についてみてゆきましょう。
推動(すいどう)作用
血や津液の流れ、内臓の働きを促進する・人体の成長
温煦(おんく)作用
体温を維持し、臓器を温めて働きを促進する(生命活動のための熱源)
防衛作用
外から病氣の元が入り込むのを防ぐあるいは病邪と戦う
氣化作用
津液を汗に変え、血を精に変えるなど、氣・血・津液や“精”を変化させ流れをよくする
固摂作用
異常な発汗や出血(経血量)を抑え、身体に必要なものがむやみに体外に出ないよう調節する
などのはたらきがあります。
このように『氣』はそれぞれ異なった性質をもちながら、密接に関わり合い相互に助け合って作用しながら身体の状態を維持し健康を保っているのです。
ひとくちに『氣』と言っても種類などによって、役割が違うのだなというのがお分かりいただけたと思います。
血(けつ)とは
つづいて3大要素の2つめは 『血』 です。
『血』は全身の組織や器官を滋養し、生命を維持するために必要な燃料になる物質的なもので、精神活動を支える基礎でもあります。
『血』の流れがスムーズだと各臓器や機能はよく働き、その流れに関係するのが“氣”で、“氣”の働きがなければ『血』はスムーズに流れてくれません。
血(けつ)のなりたち
『血』は『脾』のはたらきで取り出された “水穀の氣” に、『肺』から取り込まれた “清氣” などが合わさって出来上がります。
そして『心』のはたらきで全身に押し出され、『肝』のはたらきで調節され各器官に配分されます。
その他、“営氣” と “津液” の合成によってもつくられ、“精” という物質からもつくられます。
このように東洋医学でみる『血』は、一般的に私たちが認識している『血液』とはまた違った広い役割があると捉えます。
血(けつ)が不足すると
そして『血』が不足すると、不眠や不安感・健忘などの症状がでたり、逆に精神的に大きな刺激を受けると『血』の運行に悪影響を与えます。
津液(しんえき)とは
最後3つめは 『津液(水)』です。
『津液』は、身体の役に立つ状態に作られた水のことで、生命維持に必要な身体を潤すもの、関節の動きを順調にする役目もあります。
津液(しんえき)のなりたち
『脾』のはたらきで食べ物から吸収され『肺』に運ばれ、『肺』を経由して『三焦』から全身に散布されます。
そして『腎』のはたらきで一部は、老廃物と一緒に尿として排泄され、一部は再度全身に配るため『腎』に蓄えられ身体を潤したり、活動の後の興奮を鎮めたりするはたらきがあります。
『津液』といってもあまり耳にしないかもしれませんが、リンパ液・汗・涙・胃液・唾液・脳漿(のうしょう)など『血』以外の体液はすべて『津液』といいます。
精について
そして、今回最後に3大要素以外に大事な要素である『精』のポイントを紹介します。
『精』は『血』に似た物質で、成長や発育など人体の機能を維持するエネルギー源(生命力の源)で、『先天の精』と『後天の精』があります。
先天の精
両親から受け継がれたもので、“腎”に蓄えられて(腎精という)おり、身体を成長させ、生殖機能を高める働きがあります。
加齢により腎精が減少すると、老化が始まり生殖機能も衰える。“衛氣”や“元氣”の原料となったり、必要に応じて骨髄を生成したり氣や血に変化します。
後天の精
“胃”と“脾”のはたらきで食べ物からつくられ全身に運ばれて、生命活動を支えるエネルギー源となります。
一部は“腎”に運ばれて、成長と共に消耗する“腎精”を補充する働きがあります。
食事はいのちの補充
このように私たちの身体は、両親から受け継がれているものや、生後私たちが日常生活の中で摂り入れる食事や呼吸から、いのちの源ともいえるエネルギーが “わたし” をつくり心身の健康を支えています。
現代は、必要な時に必要なものを手に入れることが出来る、忙しい現代人にとってはとても便利な時代です。
この便利さにかまけて、いのちの源となる食事は、元の食材は一体何なのか分からないものや、パッケージの裏面に書かれている原材料には、聞いたことがないカタカナがずらりと並んでいる不自然なものを食さなければならないというのが現実。。。
基本的に私は、食事というのは 『 氣の補充=いのちの補充 』 であると捉えています。
お野菜をはじめ、私たちが食するものというのは自然が育んだいのちを宿しているものです。
その食するものがどういった環境で、どのような生産者が、どんな氣持ちでもって、どのように育んでいったのか・・・あまり目を向けないところかもしれませんが、とても大切なポイントになる部分であると思うのです。
医療は発達してきているのかもしれませんが、医療費が増え続けているということは、不健康な人、病氣の人が増えているということ。
それは何故なのか、私たち一人ひとりが考えてゆく必要があるのではいかと思うのです。
最後に
私たちの身体には元々、自然治癒力というものが備わっています。
私たちセラピストが出来ることというのは、お客様が本来持っているその力をしっかりと発動出来る環境に整えてゆくこと。
そして、身体が不調和な状態に傾かないように整えることであると思います。
今回お伝えした3大要素である『 氣・血・津液 』に何かしらの不具合が生じていれば、お客様のお悩みや不調をつくりだすことになるでしょう。
最後に、意識せずとも私たちにはこのように素晴らしい仕組みが備わっています。
いつもお伝えしていることですが、癒し手自身がまず自分自身に意識を向け、自分のこころと身体に労いを送ること。
これってとっても大切なことですし基本的なことですが、案外自分の身体というものに深く意識を向けることがないことも多いとは思います。
お風呂に入って湯船につかりながら、身体を洗うとき、ベッドに横になるタイミングで・・などゆったりと出来る時間に、今日1日良く動き働いてくれた身体さん、内臓さんへありがとうのエネルギーを送ってあげることを習慣としたいものです。
今回、この記事を目にしていただいたのも何かのご縁と思います。
是非、ご自身にも愛あるエネルギーを届けてあげてくださいね(*^-^*)
ではでは、最後までお読みいただきありがとうございます。
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