セラピストが押さえておきたいこと ~ こころの奥に仕舞い込み無かったことにしている感情の影響

からだの声を聴く
(この記事は、旧サイトにて2019年8月9日に公開した内容を更新したものです)
こんにちは
こころと身体のセラピストゆうです(*^-^*)
日頃お客様のお身体と向き合っている セラピスト・エステティシャン の皆さんにお役に立つ情報をお届けしてまいります。
では、早速始めてまいりましょう☆彡

不調は潜在意識からのメッセージ

私たちの身体と感情(こころ)は密接につながっています。
お客様が感じる身体の痛みや違和感などの不調は、お客様自身が日頃何を感じているかを現していて、これは潜在意識からのメッセージになります。
例えば、不安で夜も眠れなくなるようなショックなことがあったり、誰かに理不尽なことを言われ酷く傷ついたり、大切な存在を突然失ったりといった出来事を経験したとします。
月日がたち、なんとなく自分の中で『 あの出来事はもう私の中で処理できている 』、あるいは 『 もうとっくに終わったことだし、今は何とも思ってません 』と頭ではすでに片付いている出来事と思っていたとしても、こころの奥に押し込めていたものが無くなったことにはならないのです。
お分かりのように、それが仕舞い込まれている潜在意識は無意識の領域。
頭(顕在意識)では “ こうだ! ” と思ったことと、潜在意識にある感情というのは一致しているとは限らないのです。
“ 顕在意識 ” と “ 潜在意識 ” とのギャップが、さまざまな不調、違和感や不自然な感覚、ストレスなどを生み出すのです。

不調を引き起こす “七情” とは

これを前提に、感情が身体にどのような影響を与えるのかみてゆきましょう。
お客様の感情と身体の不調や病氣の繋がりをみるにあたって、東洋思想を使ってゆくと点と点の繋がりが見つけやすくなります。
東洋医学では、不調や病氣の原因は外界の環境から引き起こされるものを『 外因 』とし、身体の内側( 感情 )が原因で引き起こされるものを 『 内因 』といっています。

この『 内因 』は  “ 七情 ”(しちじょう) という 喜(き)・怒(ど)・憂(ゆう)・思(し)・悲(ひ)・恐(きょう)・驚(きょう) の七つの感情に分けて捉えてゆくのが特徴です。

当然、こういった感情があるからこそ色んな経験ができるので必要なのですが、激しい感情や、その感情としっかり向き合うという事をしないまま、1つの感情を長期間放置しておくと心身に何かと悪さをし始めます。

 

七情と内臓のつながり

七情の乱れは氣血の働きやバランスを乱し、五臓である『 肝・心・脾・肺・腎 』に影響し、不調や病氣などを引き起こす原因となり、五臓に不調が生じた場合は、感情に影響を与えることになり相関関係があります。

簡単に説明すると「氣」は生命エネルギーで、分かりやすく言うと活力源になり、「血」を先導するはたらきがあります。

「血」は身体を滋養する役割があり、「氣」が不足したり滞りが生じたりすると、「血」の巡りやはたらきも悪くなってしまいます。

そのため、大切な臓腑に必要なエネルギーや栄養が行き渡らなくなってしまうため、関連する臓腑に不調が生じるという仕組みになっています。

 

 

感情と関連する臓器

では、七情と関連する臓器についてポイントを絞って1つずつ見てゆくことにしましょう。

怒り ・・・関連する臓器 ~ 肝臓

「 肝 」は、氣血がスムーズに動くように調整するという役割があります。
感情と自律神経系とも関係が深く、ストレスの影響を受けやすいという特徴があります。
激しい怒りやストレス、長期にわたるイライラなどが続くと肝の氣に乱れが生じ、肝の氣が異常に上昇し、同時に「血」の動きにも支障をきたします。
頭に血がのぼるといいますが、まさしく氣と共に血も上昇している状況です。
◆ 現れる症状: 顔が赤くなる・目の充血・頭痛・めまい・ため息・生理痛・生理不順・怒りっぽい・・などが現れ、目・爪・筋に症状が出やすいのが特徴です。

 喜び ・・・関連する臓器 ~ 心臓

「 心 」は、循環にかかわるほか、精神活動を支えるという働きや、身体全体を統括する司令塔のような役割も担っています。
喜びの感情は「心」を伸びやかにしてくれますが、喜びがいきすぎると心の氣がゆるみ消耗し、精神を1つに集中できなくなります。
ひどくなると失神や意識の異常が起きることがあります。
◆ 現れる症状: 動機・息切れ・赤ら顔・集中力低下・不安感・不眠・無力感・頻尿・・などが現れ、舌や顔に症状が出やすいのが特徴です。

思いわずらい ・・・関連する臓器 ~ 脾臓

「 脾 」は、消化吸収により食べ物から“氣”・“血”・“津液” を補充をする働きがあり、生命力を保つ要の臓器です。

思慮深いタイプや、いつまでもクヨクヨと思いわずらっていると、関連する胃の氣が固まり、結果として「脾」を損ないます。

◆ 現れる症状: 消化不良・食欲不振・胃のもたれ・喉のつかえ・膨満感・顔色黄色っぽい・吐き氣・下痢・不眠・・などが現れ、口・唇・肌肉に症状が出やすいのが特徴です。

 

悲しみ・憂い ・・・関連する臓器 ~ 肺

「 肺 」は、呼吸の調整をするほかに免疫機能、水分代謝、皮膚とも関係が深い臓器です。

いつまでも嘆き悲しみを抱えていると、肺の氣が消耗し下降するため元氣がなくなります。 意気消沈というやつです。

◆ 現れる症状: 肺の病になりやすい・息切れ・声枯れ・やる氣が出ない・ため息・咳・免疫力の低下・無氣力・白っぽい顔色・・などが現れ、鼻・皮膚に症状が出やすいのが特徴です。

 

恐れ・驚き ・・・関連する臓器 ~ 腎臓

「 腎 」は、水分代謝を担うほかに成長や発育、髪の毛や骨、生殖器系と関係が深い臓器です。

恐れすぎると氣が下降してしまい腎の氣が不足して恐れやすくなります。

驚きがゆきすぎると氣が乱れ心神のよりどころがなくなり、混乱状態となり血の動きも乱れが生じます。

◆現れる症状: 精神不安・驚きやすい・動悸・腰痛・頻尿・熟睡できない・失禁・抜け毛・生殖力の低下・黒っぽい顔色・・などが現れ、耳・髪・骨・陰部に症状が出やすいのが特徴です。

 

身体の声を聴くということ

七情などの感情は、人間らしさや私たちが豊かな経験を積むためにも必要なものです。

ただ、自分の限界を超えるような激しい刺激を受けたり、理論理屈で考えて(顕在意識)押し込めてなかったことにしたり、その感情と向き合わず感じないようする~などの習慣がついてしまうと、徐々に潜在意識に刷り込まれてしまうのです。

知らず知らずに頭(顕在意識)とこころ(潜在意識)の間にギャップが生じるので、いつも何かしらどこかしらに違和感・不調を感じることになります。
これはとても不自然な状態です。
その不自然さをお知らせするために、身体は不調や病という形で私たちにメッセージを送ってくれているのだという視点にたつと、その不快な症状にも “ありがたいな ”という氣持ちが湧いてくるのではないでしょうか。

まず自分を整えること

日々、お客様の心身と向き合う私たちセラピスト自身がまずその視点に立つということ。
そして、自分自身の心身に起きている症状などを “ 愛あるまなざし ” で見つめ、身体は何を伝えたがっているのかを受け取る・・・という習慣をもつという事が大切です。
まず自分、そしてお客様やご家族など身近な方へと広げてゆく。
そうすることで、お客様ご自身でさえも氣づいていない、或いは忘れてしまっているこころの奥にしまわれているであろう感情に寄り添うことができ、氣づきを促すことができます。
これが根本的な解決へと繋がってゆくのです。
お身体からのアプローチで補える部分も当然ありますが、大元のお悩みの原因がこういった感情である場合、それが解消されていないと同じ問題やお悩みを繰り返すことになります。
お客様のお悩みや不調の原因はどこにあるのか?
お客様の口癖や思考の傾向・立ち振る舞いなどを観察し、こころにはこういった感情が起こる傾向があるのかな・・・であったあり、そこから関連のある臓腑や症状と照らし合わせてみる。
そんな風に関連性を知るきっかけの1つに、こういった視点をもって取り組む方法もあるのだという参考になれば幸いです(*^-^*)

最後に

最後に、カルフォルニア大学の神経科学の分野で機械学習を学んでいる大学院生Alan S.Cowenさんが2017年9月に公表した論文のお話しを紹介します。
Alan S.Cowenさんは、男女800人以上を対象にした調査で、人間の基本的な感情は・・・
感嘆・敬愛・憧れ・楽しい・不安・畏れ・退屈・気まずい・同情・冷静・混乱・渇望・うっとり・嫌悪・共感・狂喜・羨望・興奮・恐れ・悲しい・恐怖・ワクワク・懐かしい・喜び・優越・満足・ムラムラ(性的興奮)
の27種類で構成されていて、この中のいくつかを組み合わせることで全ての感情が生まれてくるといいます。
その総数は、なんと 2185 なのだとか!!!
凄い数です。。
アルファベットで色分けされた該当する感情が、どんなものかクリックすると「イメージ映像」がポップアップ表示される感情マップが紹介されていました。
面白いのでお時間のある時に覗いてみてくださいヽ(^o^)丿

 ➡ 人間の感情の全てをチェック≪ Emotion Map ≫

(引用元:TABI LABO

 

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