腸と代謝を活性する酵素の話し② 酵素の性質

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(この記事は旧サイトより移行したものです)

 

こんにちは こころと身体のセラピストゆうです。

さて、腸と代謝を活性する酵素の話しの2回目は『 酵素の性質 』についてお伝えしてまいります。

では、早速始めてゆきましょう♬

酵素は職人氣質?!

酵素は、酵素の種類によって基質(働く相手)が決まっていて、他の基質とは仕事をしないという徹底ぶり。(基質特異性という)

その道一筋を貫く職人のようです。

私たちの体内には、なんと20000種以上もの酵素が存在すると言われているので、その道のプロフェッショナルが集まってお仕事してくれているのだと考えたら凄いことだと思いませんか?!

 

体内の消化酵素とは?

ではここで、私たちのエネルギー源となる栄養素を例に、体内の消化酵素がどんな仕事をしているか少しばかり紹介しますね (^^♪

【 糖質 】

デンプン(基質)は、唾液や膵液に含まれる酵素のアミラーゼがマルトースに分解し、腸液酵素のマルターゼがマルトース(基質)を分解しグルコース(ブドウ糖)へと分解してはじめて腸から吸収

 

【 たんぱく質 】

タンパク質(基質)は、胃液の酵素ペプシンがポリペプチドに分解し、膵液の酵素トリプシン・キモトリプシンがポリペプチド(基質)をペプチドに分解し、腸液の酵素ペプチターゼがペプチド(基質)をアミノ酸へと分解し腸から吸収

 

【 脂質 】

脂質(基質)は、膵液の酵素リパーゼが脂肪酸とグリセリンへと分解し腸から吸収(胆汁は乳化作用があるが酵素は含まず)

 

お腹に入ってくる食べ物は、色んな種類の栄養素が混ぜこぜになっているけれど、職人魂をもった酵素たちが基質を見つけて自分の役目を全うしてくれているからこそ、体内に取り込めているわけです。

勿論、体内で働いてくれている酵素は消化酵素だけではありませんが、酵素がそれぞれのお仕事をそれぞれの持ち場でしっかりとつとめてくれているからこそ、私たちの健康が保たれています。

いい仕事をしてくれる酵素さんに感謝ですね (*^-^*)

 

酵素には好きな温度がある

私たちも温泉に浸かるときなど、快適にそして元氣になれる心地の良いの温度ってありますよね。

酵素も同様に、酵素が元氣になれる温度があり、何度かというと、36~46℃くらいと言われています。

このくらいの温度だと、酵素がイキイキと活発に活動してくれるのです。

 

風邪を引いたときに体温が上がる意味

風邪を引いたときを例にあげると、40℃近くまでお熱が出ることの意味というのは、体内の温度を上げることによって酵素の働きを高めるためでもあるのです。

ちなみに、体温を1℃あげると免疫力は一時的に5~6倍上がると言われています。

逆に体温が1度下がると酵素の力が50%ダウン、エネルギー代謝は12%ダウン、免疫力に関しては30%ダウンすると言われていて、実際にガン患者さんの方は35℃台と低体温の方が多いそうです。

疲れがとれない、体調がいつもすぐれない、ムクミやすい、太りやすい、年齢の割に肌や髪にハリつやがない・・・などがある場合も酵素の力がダウンしてしまっているのかもしれません。

 

食物酵素は熱に弱い?!

そして食べ物に含まれる酵素ですが、種類によっての違いはあるものの基本的には熱に弱く、48℃だと2時間、50℃で20分、53℃で失活し酵素の効力が失われてしまいます。

★ 代謝を進める酵素(NHK高校講座より)

酵素学の研究者が写真やイラスト付きで分かりやすく解説してくれています。

 

酵素が元氣になる㏗(ピーエッチ)がある

㏗(ピーエッチ)というのは、液体の水素イオン濃度のことを言います。

数値は1~14までで、7が真ん中となり「中性」を表し、 ㏗が7より小さいくなると「酸性」となり、7より大きくなると「アルカリ性」となります。

酵素が元氣になる㏗は、酵素の種類によって異なります。

私たちの身体の㏗は中性に近い7.4ほどですが、胃液に含まれている消化酵素の“ペプシン”は強酸性の㏗1~2で最高潮に元氣になります。

その他の殆どの酵素は㏗7の中性で元氣いっぱいになります。ただ、㏗4以下の酸性や、㏗10以上のアルカリ性になると酵素の元氣度は一気にダウンしてしまいます。(これを失活といいます)

 

最後に

今回は、酵素の性質についてご紹介させていただきましたがいかがでしたか。

酵素は単体ではなく、基質という働く相手がいるからこそ、触媒という体内での化学反応が物凄い速さで促進されることによって、体内でのあらゆる『代謝』というものがスムーズに行われています。

酵素の種類によって活性する温度や㏗も違ってきますから、自分自身の体温管理や、食材の調理法などにも意識を向けていきたいですね。

その辺りのお話は、また別の機会にお伝えしようと思います。

 

では次回は、『 酵素の種類 』についてご紹介します。

 

 

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